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さがしもの
2024/07/11 (Thu.)
岩手県出身。地元の大学を卒業後、県外で就職し、名刺を配り、頭を下げる日々を送る。家庭を持つタイミングで働きづめの生活を見直し、過ごしやすい環境で暮らしたいという想いから福島県田村市に移住。妻と犬2匹、猫1匹に囲まれて過ごしながら、地域での事業創出を視野に入れ、田村市地域おこし協力隊として活動している。
自分とは何者か、何ができるのか
現在、私は福島県田村市の地域おこし協力隊として市の移住定住事業のサポートをしています。自分自身も移住者であることから、移住する側の視点を大切にしつつ、業務に取り組んでいます。
地域おこし協力隊として活動しているとはいえ、地方創生に強い関心を持っていたかというとそうでもなく、その場所にいる人たちのことや想いが好きになったので思い切って飛び込んだ、というのが正直なところです。地方創生に熱心に取り組む人たちに触れ、自分もそんな壮大なテーマに真摯に向き合ってみたいと思い始めたことが今、田村市にいる理由です。
それまでの私は、自分の役割や住む場所も柔軟に変えてきました。そのせいか、これまでに職場や住む場所が変わってきた私は「自分ってなんだろう」と考えさせられることがあります。医者や弁護士、プログラマーなどの専門職はもちろん、工場でも農業でもなにか一つの仕事をずっと続けてきた方は自分の肩書きとして名乗ることができるはず。そのことを羨ましく思う反面、自分にとっての強みはいろいろな職場や場所の「流儀」を知っていることだと前向きに捉えるようにしています。嬉しいことにSwitchにはさまざまな流儀を知っている人たちが入り交じり、一丸となって活動しています。だからこそ生まれる新しい何かがこの場所にはあります。この場所に身を置くことで、私自身も新しく「自分」というものを構築するチャンスの只中にいます。
安住の地を求めて
都会の暮らしも便利ですが、田舎で生まれ育った自分には人や時間の流れが早く感じられていました。そんな折、偶然に旅行先として選んだ福島県で景色の美しさとそこに住んでいる人たちの温かさを知りました。「自分には故郷のような田舎での生活があっている」「大好きなアウトドアを満喫しながら、ペットたちを自然豊かな場所で遊ばせたい」そのように考えていた際に偶然、田村市やSwitchのことを知りました。 地域のことを考え、課題解決や魅力づくりに邁進している人たちがたくさんいると分かり、ぜひ私も仲間に入れていただきたく、田村市にやってきました。Switchのメンバーや田村市のみなさんにお世話になりながら、少しずつみなさんに恩返しをしていく。その積み重ねがいつか自分にとって住み心地がよい場所をつくることにつながる。探してきた安住の地がやっと見つかりそうです。
探すよりつくる
メンバーは優しくてエネルギーのある方たちばかりで、そして何より田村市への愛にあふれています。そんなみなさんから多くを吸収し、私自身も地域のみなさんのお役に立てるように努力していきます。
移住定住事業の業務をする傍ら、地域だからこそできる教育事業の創出にも取り組んでいます。地域の大人たちが地域の子どもを育てる仕組みをつくり、それを地域に根付かせていく。人づくりの面で地域がおもしろくなっていけば、人が形成する地域社会もまた独自性を持ったおもしろみが増すと信じています。
これまでは本当に自分がやりたいこと、住みたい場所を探してきました。これからは探すことはやめて、自分にとっての理想の田舎暮らしが実現できる場所をつくることをしたい。そうすることで、この田村市という地域がきっとみなさんにとっても住み心地がよい場所になるはず。そう信じて進んでいきます。ここ田村市が私の安住の地になりそうです。